約分の見分け方
分数問題の基本は、約分できる分数は約分することです。
ではなぜ約分しなければいけないのでしょうか?実は理由はとても簡単です。下の式を見てみましょう。
$\displaystyle\frac{4}{12}=4\div12=0.3333$...
$\displaystyle\frac{3}{9}=3\div9=0.3333$...
$\displaystyle\frac{2}{6}=2\div6=0.3333$...
$\displaystyle\frac{1}{3}=1\div3=0.3333$...
上のどの分数も、同じ答えです。同じ答えなら、小さな分数で答えたほうが分かりやすいと思いませんか。
もっと大きな$\displaystyle\frac{897}{2691}=897\div2691=0.3333$...という分数も、約分すれば$\displaystyle\frac{1}{3}$です。
「そのケーキを$\displaystyle\frac{897}{2691}$にカットして配ってください」とは言いませんよね。どうせ同じ割合なら、$\displaystyle\frac{1}{3}$を使った方がシンプルで分かりやすいのです。
でも、$\displaystyle\frac{897}{2691}$という数字を見ても、3で約分できるとはなかなか気づけません。このページでは、大きな数字でも確実に約分できるか見分ける方法を4種類ご紹介します。
超便利!約分の見分け方(1)下$1$桁が$2$の倍数…分数の下$1$桁が$2$の倍数の場合は最低でも$2$で約分できます。
例) $\displaystyle{ =\frac{16}{18}\\[20pt] =\frac{16\scriptsize{\div2}}{18\scriptsize{\div2}}\\[20pt] \displaystyle=\frac{8}{9}\\[20pt] }$
(2)足し算して$3$の倍数…分子・分母それぞれ各位の足し算が$3$の倍数なら$3$で約分できます。
例) $\displaystyle\frac{51}{63}$の場合
分子$=5+1=6$ …$3$の倍数
分母$=6+3=9$ …$3$の倍数
$3$で約分できることがわかりましたので、
$\displaystyle{=\frac{51\scriptsize{\div3}}{63\scriptsize{\div3}}\\[20pt] =\frac{17}{21}\\[20pt] }$(3)下2桁が4の倍数…分子・分母それぞれ下2桁が4の倍数なら4で約分できます。
例)
$\displaystyle\frac{44}{108}\\[20pt]$
分子の下$2$桁$=44\div4=11$ …$4$で割れる
分母の下$2$桁$=08\div4=2$ …$4$で割れる
下2桁が$4$で割れることがわかりましたので、
$\displaystyle{=\frac{44\scriptsize{\div4}}{108\scriptsize{\div4}}\\[20pt] =\frac{11}{27}}$(4)下1桁が$0$か$5$…分子・分母それぞれ下$1$桁が$0$か$5$なら$5$で約分できます。
例) $\displaystyle{ \frac{115}{130}}\\[20pt]$
分子の下$1$桁$=5\div5=1$ …$5$で割れる
分母の下$1$桁は$0$
$\displaystyle{=\frac{115\scriptsize{\div5}}{130\scriptsize{\div5}}\\[20pt] =\frac{23}{26}\\[20pt] }$
覚えておいて損のない約分の見分け方ですね。